鳴らしもの

鐘、木魚、太鼓、木版など、お寺にはたくさんの鳴らしものがあります。
この鳴らしもののお話です。

お寺と鳴らしもの

mame3501.jpg「振鈴、洗面版、止静、更点、暁鐘、更点、大開静、殿鐘、放禅鐘・・・」
これが永平寺に修行僧として上山した者が、先ず覚えなければならない朝一時の鳴らしものの名称です。その鳴らし方は、大学ノート一冊に及び、一週間程度で覚えなければなりません。鳴らしものを覚えて実際に鳴らすことによって、初めて修行僧としてのスタートラインに立つことになります。
hossiki603.jpgご存知のとおり、永平寺は寺域10万坪、伽藍建物70数棟という広大な境内を有しています。勢い、そこに居る者がみな等しく修行をつとめるには、統一された規律とそれを知らしめる手段が必要になります。 それが鳴らしものなのです。声を上げることなく禅の精神そのままの静寂のうちに起居動作を含めた修行に励むその根本が鳴らしものにあります。
私たちは「鳴らしものが出来れば一人前」とよく言われました。一つの鳴らしものによって大勢の修行者の動静が決まるのですからその責任は重くなりますし、鳴らす本人にとって何よりの修行になると言えるでしょう。お寺の鳴らしものとはそういうものなのです。

法要と鳴らしもの

mame3504.jpgmame3502.jpg儀式法要は全て鳴らしものによって司られます。
心を込めて上手に鳴らされたならば仏のお徳が讃嘆され、参列みなさんの心に響くのです。逆に無造作に鳴らされたならば法要を壊してしまいます。
鳴らしものは鳴らす人の心がそのまま表されるといいます。みなさんも授戒会で鳴らしものを担当なさる時にはこの心をお忘れないようにお願い致します。