彼岸会

彼岸会

taisenn29.JPG毎年、春と秋に行なわれる「お彼岸」は、インドや中国にはみることのない日本固有の仏事です。その歴史は古く、聖徳太子の時代に始まり、平安時代初期から朝廷で行なわれ、やがて日本独自の祖先信仰の習俗が加わり、江戸時代には先祖供養の行事として一般庶民に浸透しました。

「彼岸」を「悟りの岸(世界)」、「此岸」を「迷いの岸(世界)」とし、此岸から彼岸へと向かう仏道精進の行事として「布施」「持戒」「忍辱」「精進」「禅定」「智恵」の六つの修行徳目(下記参照)が設けられています。
また、春分と秋分の二季にはお日さまが真東からのぼり、真西に沈むところから太陽を通じて西方極楽浄土を観じたことに由来するともいわれます。彼岸会は、その中日である国民祝日としての「春分の日」が、「自然をたたえ生物を慈しむ日」、「秋分の日」が「祖先を敬い亡き人を偲ぶ日」となっていて仏教的かおりの豊かな期間であるといえましょう。

六つの修行徳目とは?

大乗仏教において、菩薩(悟りをもとめて修行する者)が彼岸にたどり着くために、生活の上で実践すべき六つの修行項目。

 布施:(ふせ)あまねく施すこと
 持戒:(じかい)戒律(修行生活の規則)を守ること
 忍辱:(にんにく)苦難に耐え忍ぶこと
 精進:(しょうじん)ひたすらに努め、励むこと
 禅定:(ぜんじょう)精神を統一し、安定させること
 智慧:(ちえ)仏様の教え

c_higan2w1.gif他をおもい、そのことに見返りを期待せず、自らの生活を整え、他人からの賞罰に心揺らさず、一心に自らのつとめに打ち込み、平静こころを保ち、正しく物事を見る眼をやしなう。この日常の実践を心がけ、日本に古来よりある「親と先祖と太陽はいくら拝んでも拝み足りない」というような忘れかけていた大切な心を思い出す、そんな彼岸会でありたいものです。


お彼岸はいつから、いつまでですか?

春分と秋分の日をお中日として前後三日、計七日の間に修せられます。


歴史書物にみるお彼岸の始まり

『日本後紀』大同元年(806年)の条で、政治上の争いに巻き込まれ、無残な死を遂げた早良親王(崇道天皇:桓武天皇の弟)の怨霊を静めるため、春と秋に日本各地の国分寺において「金鋼般若経」を読んで仏事を営んだとあります。