回向(えこう・廻向)ということ

回向(えこう)

私たち仏教徒は、仏教の教えに近づいていく仏道を歩むことが必要であります。仏道とは即ち善き行い(善行)をつとめていくことです。 では、善き行いとはどんなことか?簡単に言えば自分の為にしないことです。
回向とは「廻らし転じて差し向ける」の意味です。それは、自分自身が行った善い行いを廻らして世の人々や 亡き人のために向けることなのです。この言葉は、元はインドの古代語であるサンスクリット語のパリナーマの語が漢訳されたものです。
一般に、私たちがつとめている回向とは、お経をあげる、お供えをする、礼拝をつとめる等の自らがつとめる祈りの行いの功徳を亡き人に転じてさらに供養を重ね、善行を重ねていくことです。ですから私たちは無我の行いとして法要を真摯におつとめしているのです。
mame3102.jpg道元禅師はその著述である正法眼蔵「看(かん) 経(きん) 」の巻に、修行僧に食事等の供養物を布施したお施主さんに対して、修行僧一同で お経をあげた後に、「おのおの合掌して、低聲に回向するなり」と述べられその方のご先祖へ供養物を布施した善行を廻らしておられるのです。

回向文(えこうもん)

事前講座のおつとめで、お経をあげたあとに係りのお坊さんが一人でお唱えしているの をご記憶の方もおいでではないでしょうか?そのお坊さんが朗々とお唱えしている文章を回向文といいます。 回向文とは、回向の功徳を祈る対象にどのように振り向けるかを言葉に表した祈りの文章です。

青松寺授戒会事前講座の回向文

上来摩訶般若波羅蜜多心経を諷誦す集むる所の功徳は
大恩教主本師釈迦牟尼仏 高祖承陽大師 太祖常済大師に供養し奉り
無上仏果菩提を荘厳す 伏して願わくは四恩総て奉じ三有斉しく資け
法界の有情と同じく種智を円にせんことを。
冀うところは 授戒会講座参加者 修道無難 同衆円満 諸縁吉祥ならんことを

〈大意〉
皆さんで声と気持ちを合わせて般若心経をお唱えしましたが、その功徳を先ず私たちを仏教に導いていただいたお釈迦さまと、そのみ教えを、私たちに伝えて頂いた道元禅師と瑩山禅師に感謝し、仏教のこの上ない悟りのこころを、さらに美しくおごそかなものといたします。hossiki604.jpgそして私たちの父母、世の人々、師と友、仏・法・僧の三宝の恩に報いるべく、身と心とそれ以外のもののどれにも偏ることなく、私たちが、あらゆる世界の人たちと共に仏さまとして智慧を完成できますように祈ります。更には、授戒会の講座に参加したみなさんが、その志が遂げられますように、みなさんどうしが仲良くありますように、これからも良き縁に遭いますように仏さま方にお願いします。
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