仏教月例講座 仏教入門 ー『秘蔵宝鑰』を読む


※『秘蔵宝鑰』は、2015年11月12日(木)に読了となりました。
2016年1月14日(木)より「『摂大乗論』について学ぶ」講座を開講ししています。
詳細はこちらからどうぞ→LinkIcon

仏教文化講座 仏教入門―空海の『秘蔵宝鑰』を読む

 東洋大学学長 竹村牧男


ibetakemura.jpg仏教は釈尊を開祖としますが、その後の歴史の中で、多彩な思想を発達させてきました。その全体像を見渡しておくことも、仏教を理解するために欠かせないことでしょう。

弘法大師空海(774~835)は、唐の長安に学び、そこで修得した密教を日本に伝え、また仏教の全体を描く『秘密曼荼羅十住心論』という大部の書物を著わしました。それは、淳和天皇が天長年間(824~833)に、三論・法相・華厳・律・天台・真言の六宗に対し、その宗の教理について著したものを提出せよとの命を下したのに対して応えたものです。この『秘密曼荼羅十住心論』は相当大部な難解なものでしたので、その内容を簡略にまとめて『秘蔵宝鑰』も著しました。両者とも人間の心を十段階に分けて低い段階から高い段階へと向上する十住心の様子を描いたものですが、しかもそれぞれの段階はさまざまな学派の思想に対応しているとして、儒教・バラモン教・仏教各宗の教理を体系的に組織した形になっています。具体的には以下のようです。

 第一 異生羝羊心(凡夫)
 第二 愚童持斎心(儒教)
 第三 嬰童無畏心(婆羅門教)
 第四 唯蘊無我心(声聞乗)
 第五 抜業因種心(縁覚乗)
 第六 他縁大乗心(法相宗)
 第七 覚心不生心(三論宗)
 第八 如実一道心(天台宗)
 第九 極無自性心(華厳宗)
 第十 秘密荘厳心(真言宗)

本書は、このように密教を最高の段階においているものですが、ともあれこの書物によって多様な仏教思想を学ぶことができるでしょう。そこで今回、『秘蔵宝鑰』をみなさんとともに拝読したいと思います。テキストは、プリント配布する予定です。

竹村牧男先生

東洋大学教授、興福寺責任役員をおつとめであり、「『正法眼蔵』に学ぶ」にて、道元禅師さまのお心を分かりやすくお話をしてくださっている、竹村先生がご講義くださいます。

日時:毎月第2木曜日 19時~20時半 (2013年3月~2015年11月)
申込:事前申込不要
会費:資料代のみ
会場:青松寺 貝塚ホール
テキスト:配布します